Friday, December 27, 2013

【立ち上げ準備 vol.17】テスト版サービスの提供開始


前回の記事から大分時間が空いてしまいました。
約2ヶ月ぶりのブログです。

ここ最近は相変わらず慌ただしく動き回っていたのですが、
大きなニュースが1つ。
ついに11月よりBox 4P'sのテスト版サービスの提供が始まりました!

商品、オペレーション共に至らない点は多々あるのですが、
まずはサービスを動かしながら細かい改善をしていこうということで、
テスト版の利用に協力して頂ける方を対象にサービスの提供を行っています。

商品注文用のウェブサイトは来年の2月前後に完成予定で、
それまでに日本人、西洋人、ベトナム人の方を対象に順次テスト版をご利用頂き、
サービスの改善を重ねていくつもりです。
現在は注文票がエクセルで、それをメールでやりとりするという非常にアナログに進めさせて頂いているのですが、テスト会員の方々のご協力もあり順調に進んでいます。


ただ順調とはいうものの全てにおいて手探りな状況なことに変わりなく、
この記事のトップにあるポスターも知り合いのデザイナーの方にイラストレーターの使い方をレクチャーして頂いてなんとか作り上げ、
ダラット在住のPizza 4P'sのチーズ職人と何度も議論しながら粛々と商品開発を続け、
商品の配達もホーチミンをバイクで駆け巡り自分で商品をお届けさせて頂いています。

配達用バイク。駆け巡ってます。

思い返せば去年のいま頃に前の会社を退職し、
今年の頭にベトナムで食品販売事業を立ち上げることを決めました。
それから約9ヶ月。サイト制作から物流網構築、商品開発まで、
2013年は何かと事業の仕込みに追われた1年でした。

自分の手で人の生活を豊かにする価値を作り出したい、
という僕個人の想い先行で始まったサービスですが、
想いが事業計画になり、事業計画が実際のサービスになり、
そしてそのサービスがお客様から感謝され、
アイディアが形になっていくプロセスは非常にワクワクします。

2014年はまたしてもタフな1年になりそうですが、
泥臭く着実に、Box 4P'sをよりよいサービスに育てていこうと思います。

今年も大変お世話になりました。
残りわずかですが、よいお年を!


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Saturday, October 12, 2013

【立ち上げ準備 vol.16】小売パッケージ制作 (3)


お店の増築により店内に小さな販売所ができました。
イーコマースを始める前に、まずは店頭で商品を販売してお客様のニーズをしっかり理解するため、最近はこちらの準備に注力しています。

在庫管理や販売促進のポップ作りなど、意外とすることは盛り沢山。
特に大変なのが現地企業を相手にしないといけないパッケージ制作。
前回も書きましたが、デザート用のカップは結局日本から輸入することになりました。
ただ全てを日本から買ってくると大変なコストになってしまうので、
できるものは極力現地で作るのが理想です。

以前、現地のデザイナーから提案を受けるも散々な結果だった紙袋。
まずはこちらから着手することにしました。


まず最初にしたのが紙袋ハンティング。
ホーチミンで集められるだけの紙袋を集めました。

同時に紙袋のサイズ、色、質感、デザインなどをチームで話し合い、
前回見つけた良さそうな紙屋さんと交渉。


価格に関しては落ち着いたので、早速こちらで作った完成イメージのデータを持ってお店のデザイナーに依頼。ただ、ここからが大変でした。

こちらで作った大まかなイメージをAdobeのイラストレーターのソフトに落としてもらうのを後ろから見ていたら、ロゴの大きさも紙の色の設定がもの凄く適当。
全然こちらの用意したイメージと違うのに「これで印刷するけどいいよね?」なんて普通に言います。


心配で仕様がないので、デザイナーの後ろにベタ付きで「それもっと右!フォントは小さく!」と後ろから指示を飛ばします。データを作って、お店に戻ってチームと確認、修正点をデザイナーに伝えるも上手く伝わらず、またベタ付きで指示出し。これが何回か続きました。

データが出来上がっても印刷のクオリティも不安で、「とりあえずチームと確認する必要があるのでサンプルを1つ作ってください」と聞くと、「サンプルは作れるけど、それ以降変更はできないよ」とのこと。
それってサンプルの意味がないんじゃ…なんて思いながらも粘り強く交渉を続けます。

結局、工場に行けばサンプル用に1枚印刷してくれるとのことになり、バイクを飛ばして郊外の工場へ。


工場で待つこと十数分、サンプルらしき紙が登場。


細かく指定していただけあって色は一発OK。
遠かったですが、工場の衛生面も確認できて逆に良かったです。
整理整頓されたきれいな工場でした。

結局、僕自身が不慣れだったこともあり10回以上お店に訪問することになりましたが、
何とか紙袋も納得のいく物ができました。



ただ、こちらの紙袋はサイズとコストの関係で、正式に使用開始するのはもう少し先になりそうです。
いまは4P'sのチーズしか販売できていない味気ない販売所ですが、徐々にバージョンアップ予定です。

【立ち上げ準備 vol.13】小売パッケージ制作 (2)
【立ち上げ準備 vol.12】小売パッケージ制作 (1)

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Sunday, October 6, 2013

【立ち上げ準備 vol.15】販売商品パートナー探し(2)


前回のダラット出張からちょうど1週間経ち、今回もまた夜行バスに10時間程揺られ、コーヒーの生産で有名な街バンメトートに行ってきました。
今回は商品パートナー探しというよりは農業の現場を勉強するための出張でした。以前よりお世話になっているニコニコ野菜の塩川さんの善意で、バンメトートで栽培している無農薬野菜の農場に同行させて頂きました。

ニコニコ野菜は無農薬、無化学肥料を徹底した野菜栽培を生産しているだけでなく、販売まで一環して行っているユニークな会社。社長の塩川さんは僕の2つ上なのですが、ベトナムにはもう10年近く住んでらっしゃりベトナム語も堪能。スタッフも彼以外ほぼ全員ベトナム人です。

ニコニコ野菜の塩川さん

ベトナムの地方に行くとよく目にするのが、一面雪が積もったような白い畑。
この白い粉の正体は実は全部化学肥料です。
また、ゴーストバスターのような格好して霧状の農薬を4~5人が一列で散布している姿なんてみると、これは本当に食品を作っているんだろうかと疑いたくなります。

「ただ単に野菜を作ってるんじゃなく、僕達は安全を作ってるんだ」
という塩川さん。
元々、日本の大学で環境学を選考しており、環境保護そして人間の健康という観点から無農薬、無化学肥料の自然な野菜作りを始められたそうです。

きれいに整備された農場

苗を育てるビニールハウス

有機野菜を食べて育つ豚もいます

そもそも農薬や化学肥料を完全にゼロにすることがいいのかというと、必ずしもそういう訳ではありません。
安全とされている農薬を、基準量を守って使用すれば人体への影響はありませんし、悪天候や害虫に負けず安定的に栽培することができます。また肥料も同様で、有機肥料でなく化学肥料を使用すればコストは20~30分の1に抑えることができ、販売価格も低くできます。

ただ、「これは使っていいけど、これは駄目」のように基準を曖昧にすると、相当しっかりした管理者と管理体制がないと、ベトナムではルールを守り続けることが難しいとのことです。

ニコニコ野菜では、少しずつですが本当に信頼のできる農家を選び、無農薬、無化学肥料農法を取り入れるパートナー農家を増やそうとしています。
今回塩川さんがバンメトートに帰られたのも、そういったパートナー農家との月次定例ミーティングに参加するため。定期的に情報交換や技術指導を行い、生産者ネットワークの拡大を進めているとのことでした。慣行農法から無農薬に変えたところ、生産者やその家族にも害のある農薬の散布を止められただけでなく、売上も倍になった農家さんもいるとのこと。

パートナー農家との生産者ミーティング

パートナー農家の畑を見学

パートナー農家のフイさん(左)

自社農場、パートナーの農場で収穫された野菜は、夕方にニコニコ野菜のオフィスに集められ箱詰めの作業が始まります。まず水で洗って土を落とし、配送中に悪い菌が繁殖しないよう野菜をさっとお茶につけます。そして野菜が傷まないよう発砲スチロールに氷を入れ、ホーチミンの出荷オフィスに送ります。

野菜の収穫。これはいんげん豆。

野菜を洗った後にお茶に通します

1つずつ丁寧に野菜を箱詰め

スーパーで買う野菜を見て分かるのは、値段と賞味期限、あとは色と形くらいでしょうか。日本では公式の有機野菜マークが付いていたり、おいしっくすでは使用農薬○○割減などの情報も公開されています。

ただそういった左脳的な情報よりも、その野菜を作っている生産者の顔がわかることや、今回の様に実際に農場に行って栽培の様子を見学する右脳的な情報の方が何倍も受ける安心感が違います。また心なしかそちらの方が野菜も美味しく感じます。

顔の知っている農家さんから新鮮で美味しい野菜を買う。本来ならそれが理想的な姿なのですが、分業化され便利になったいまの世の中ではそれも無理な話。ただ、テクノロジーを使って生産者と消費者を再び繋げる成功例は世界中でいくつも生まれています。

今回、生産者の方々と会って、話して、お酒を飲んで、そういった世界がベトナムにも早くくればいいのにと改めて思いました。食品はスーパーの棚の前に立つだけではわからない世界がたくさんあります。そんな世界を知ることで、人の食生活は何倍にも豊かになるんだと思いました。

改めまして、今回お忙しい中ご案内してくださったニコニコ野菜のスタッフの皆さん、塩川さん、ありがとうございました!

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Thursday, October 3, 2013

【立ち上げ準備 vol.14】販売商品パートナー探し(1)


ホーチミンからバスに揺られること7時間。
フランス植民地時代に避暑地として開発された高原の街、ダラットが見えてきます。
標高1500m程で朝晩はベトナムとは思えない様な肌寒さ。

そんなベトナムの山奥に、
自然の力を凝縮した優しく力強い味の有機野菜を作っているベトナム人農家がいることを、
思わず笑ってしまうくらい美味しいソーセージを作っているフランス人シェフがいることを、
5つ星ホテルのシェフが驚く程のチーズを作っている日本人職人がいることを、
たぶん殆どの人は知らないのではないかと思います。

そんな「安全で」「美味しい」食品を作っている生産者さんの存在をより多くの人に知ってもらいたい。そんなこだわりの食品を手軽に購入できるようにして人々の食生活を豊かにしたい。Box 4P'sはそういった想いを現実にしようとしています。

今回はそんなこだわりの生産者を訪ねて、ダラットまで行ってきました。
急な訪問だったに関わらず、畑に、工房に、キッチンに快く案内して頂きました。


一番最初に訪問したのがDalat GAPというオーガニック野菜農園。
Global GAPという国際的な野菜栽培の安全管理基準をクリアしている農家です。
製品の安全、環境保護、従業員の労働環境の3つの項目から事細かにチェックリストが設けられており、毎年厳しい審査をパスしています。




よく農家は小売販売用と自分達で食べる用の野菜の畑を分けていると言います。
それは使用する農薬の量が全然違うから。
そんな話を聞いていたので、CEOのビンさんと畑を歩いているときに、おもむろに野菜をもぎとってその場で食べていた姿がとても印象的でした。それだけ安全な野菜を育てている証拠なんだと思います。一緒に食べさせてもらった野菜は今まで食べたことのないくらい濃くて甘い味をしていました。


次に訪問したのがDalat Deliというフランス人元シェフのダニエルが経営するソーセージ屋。
ベトナム人の奥さんと一緒にダラットの住宅地にある丘の上の一軒家を工房兼小売店として、完全無添加のハム、ソーセージ、パテを販売しています。




「市販のソーセージの裏を見ると肉70%とか書いてあるだろ?残りの30%は一体何なんだよな。」とか言いながら、商品を次から次にサンプルとして食べさせてくれて、最後はちょっとしたパーティのようになっていました。

この他にも、竹本さんという日本人が経営する農家でビックリするくらい甘いトマトを作っていたり、元々は機械部品を販売されていた日本の会社が、なぜかダラットの山奥で美味しいマスクメロンを作っていたりします。


そして、当店Pizza 4P'sのチーズチームもダラットからバイクで更に1時間程行った小さな街で、5つ星ホテルのシェフや、チーズの本場フランス人からも絶賛されるようなチーズを作っています。
日本人のチーズ職人が常駐で2人。後は殆ど現地の女性社員です。
毎日500リットル以上の牛乳を使用する肉体的にも大変な作業ですが、毎日新鮮なチーズをホーチミンのお店まで送ってくれています。




残留農薬や中国からの汚染食品など、食の問題が絶えないベトナム。安全で美味しい食品をユーザーに提供したいというのはもちろんですが、こうやって生産者の方々と話していると、彼ら彼女らが想いを込めて作った商品をより多くの人に知ってもらいたいという気持ちも強くなってきます。

ただこの両立は全く不可能なことではなく、無駄な中間業者を飛び越えて、生産者の手元から消費者の食卓を最短距離で繋げ、両者がWIN-WINになるような仕組みをいままさに作っているところです。

これからも引き続き、生産者の顔の見える食品、想いのこもったストーリーのある食品、そして感動的に美味しい食品を探していこうと思います。


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Sunday, September 15, 2013

【立ち上げ準備 vol.13】小売パッケージ制作 (2)

レストランで小売商品を販売するにあたって、パッケージ制作をデザイナーにまかせるはずが、
前回の記事に書いたような経緯で振り出しに戻り、全部自分達ですることになりました。
たまたまピザ職人のYさんがイラストレーターを使えたため、パッケージデザインはYさんにまかせ、その間に僕はデザートのカップを探すことになりました。

ホーチミンで業務用製品を買うとなったら行くところはひとつ。チョロン市場です。


市内からバイクで20分程離れたところにあるこの市場。
服から鍋からコップまで、基本的に日用品は何でも取り扱っています。
市内にあるショップは大抵こういった市場まで来て大量に仕入れているとのこと。
なのでとにかく安い。ただ、欠点は目当ての商品が非常に探し辛いこと。


基本的に市場の人は誰も英語を話せないので、ベトナム人スタッフに付いて来てもらって目当ての商品がどこで売っているか聞きまわります。
別件で初めてチョロン市場に来たときは口頭で説明しても誰も「知らない」とそっぽを向かれたので、今回はその反省を活かして以下の写真をiPod Touchに入れて対策は万全。


この写真を見せて、スタッフにお店の人に聞いてみる。そうすると「たぶんあっちだよ」と指差してくれるのですが、それを10回、20回と重ねても目的の商品は見当たらず。
それでも市場の細い道をぐるぐると探しまわります。


それでやっと見つかったのがこれ。


惜しい!
ティラミス系のデザートを入れるので、これだとちょっとチープ過ぎます。
お店の人に「もっとスタイリッシュなのない?」と聞いたら、
「ない!」とバッサリ切り捨てられました。

これはもうダメだとチョロンを後にし帰宅。
後日、最後の手段として日本から輸入することに決定。
ただそんなに頻繁にはできないので、業務用のものを1回で大量に仕入れることに。

早速めぼしい会社にメールすると、その2時間後に見積もりが返ってきました。
重ねてカップの素材や耐熱温度について質問すると、30分後に返信が。
この時ばかりは日本の会社の仕事の早さに悶絶しました。

できれば紙袋からピザボックスまで全て日本の会社に発注したいくらいです。
ただコスト的にそんな訳にはいかないので、デザートカップ以外はベトナムのサプライヤーと進めています。

それで日本から届いたのがこれ。


イメージとドンピシャです。
右はプリン用で耐熱容器でないといけないため、理想のデザインではないのですが全く問題ありません。

今回は現地で業務用のモノを買うという点で非常に勉強になったのですが、さすがに毎回こんなことしていたら非効率的過ぎです。ノウハウをしっかり溜めて、イーコマースで似たことをするときはスピーディに対応できるようにしないといけないですね。

デザートカップは入手し、残るは紙袋、ピザボックス、保冷剤です。
紙袋とピザボックスは現地のサプライヤーから今週サンプルが届く予定で、保冷剤はいま自分で作っています。パッケージ制作プロジェクトはもう少し続きます。

Friday, September 13, 2013

【立ち上げ準備 vol.12】小売パッケージ制作 (1)

バイク大国のベトナム。
過去に日本とアメリカで運転免許試験で2度落ちた僕は、依然とエンジンの付いた乗り物に乗れません。
なので、外出するときはレストランスタッフの運転するバイクの後ろに乗せてもらい、
排気ガスにまみれ、ホーチミンのバイクの波をかきわけ走り回っています。

僕がいま作っているのはイーコマースというウェブサービスなので、
基本的にはオフィスの中で完結するもの、と思っていたら全然そんなことありませんでした。
パソコンやルーターのオフィス用品の買出しから、商品の梱包に使うダンボールの購入からそのデザインの交渉まで、通訳兼のベトナム人スタッフと一緒に街中を駈けずり回っています。


日本だったらインターネットで数クリックすれば済むような雑務も、ベトナムでは普通に数週間かかってやっとできあがります。例えば、いま僕がしている小売パッケージの製作もその一例。
Pizza 4P'sは最近3度目の拡張工事を行い、店舗が広くなりテーブル数が増えただけでなく、新しくお店の中に商品販売所ができました。そこでまず自社製品のチーズやデザートを小売販売しようということになっています。

そこで必要になるのが、
・紙袋
・デザートカップ
・デザートを入れる箱
・保冷剤
などの小売販売用品です。

また折角なので、この際テイクアウト用のピザボックスも製作しようということで、僕がまとめて引き受けることになりました。といっても僕も他にもやることが山積みなので、もうこれはデザイナーに一括してまかせようと、お店のFacebook pageに以下のポストをしました。

何名かの応募があり、過去に大手小売店のパッケージを製作したことがあるというベトナム人デザイナーと会ってみることにしました。ただ、そこからが長いパッケージ制作の道のりの始まりなのでした。

最初のミーティングでは、まずは紙袋の制作をお願いしようと用件を説明。
次の日には見積が送られてきて、悪くないので話を進めてみました。
2回目に会ってみると奥さんとペアルックで登場。
別にそれ自体悪いことではないですが、このあたりからちょっとおかしな匂いがしてきました。

奥さんはタフネゴシエーターで、「あなた達は外国人だから紙袋メーカーに直接話すと絶対割高な値段を要求される。だから全て私達にまかせなさい」と言います。
内心確かにそうかもしれないと思いつつ彼らの持ってきた提案を聞こうとすると、どこかのお土産屋さんから持ってきたような紙袋を2種類テーブルに置き、「こういうのを作ります」と一言。
あまりにざっくりした提案にこちらは唖然。

具体的な提案を求めても何もアイディアがでてこないので、「袋はベースはこの色かこの色で、ロゴはこんな大きさで、紐はきっとこの色」という感じで、気づけば僕達が彼らに提案していました。
彼らが帰った後に、もしかしたら全部自分達でやった方がいいのかもしれないねと、印刷業者を数社回ってみることにしました。


そうすると、回った全ての業者がデザイナーの提案した紙袋代より2割ほど安いことが判明。しかも紙袋のデザインフィーも込みでその値段です。

帰り際、もうこれは全部自分達でやろうと決定。
メールでのやりとりを含めコンタクトをとったデザイナーは数人ですが、信頼度・提案力・コミュニケーションの問題を含めて、この国で外部の会社・個人とビジネスをする難しさを痛感しました。
フィリピンでもオフィス移転のときに現地の工事会社とのやりとりに同じ苦しみを味わいました。

ともかく、ここから紙袋、ピザボックス、デザートカップと、パッケージ制作の長いプロジェクトが始まったのでした。


Sunday, September 8, 2013

【立ち上げ準備 vol.11】ウェブサイト制作 (1)

エンジニアもいない、デザイナーもいない、
ないないずくし、というか社員は僕しかいないイーコマースチームですが、
少しずつ前進しております。

まず、サービス名はBox 4P's(ボックスフォーピース)に決定しました。
名前をつける上で、クリスマスプレゼントの箱を開けるようなワクワク感だったり、
ビックリ箱を開けたときの驚きのあるサービスにしたいという想いがあり、
"Box"という言葉はいいなと感じていました。

"4P's"というのはもちろんPizza 4P'sから来ているのですが、
最初の頃は自分の事業だという想いが強く、Peace BoxだったりBox for Peaceという、あえて4P'sの名前は使いたくなかった時期がありました。
ただ冷静になって考えてみて、それはただの自分のエゴであり、既に確立されているPizza 4P'sのブランドと信頼を使わせてもらうのが王道な判断という気づきもあり、最終的にBox 4P'sに落ち着きました。

Pizza 4P'sが培った食のノウハウ、ベトナムでの信頼を基盤に、イーコマースという分野で更にその価値を最大化させていきたいと思います。


次にサービスの開発ですが、
ベトナムでイーコマース事業をする上での優先順位を考えた際に、最優先すべきは自社商品の開発、販売商品サプライヤーの確保、物流ネットワークの構築の3つだと判断し、システムの開発は内製でなく外注することにしました。

幸いイーコマースはオープンソースのCMSが数多く存在し、機能も充実しているので、フルスクラッチで開発する必要もなく、外注でも念入りに要件定義をすればスムーズに開発が可能です。

また、お仕事させて頂くことになった制作会社さんにも恵まれました。ベトナムにオフショア拠点を持っている日系の開発会社さんなのですが、仕事が丁寧でレスも早く非常に助かっています。また、日本に帰った際にその会社の代表の方に挨拶に伺ったのですが、「僕達は売上のためでなく、君達に可能性を感じるから仕事をさせてもらっている」というお言葉を頂きました。
「君に期待している」というこの言葉は腹にズドンと衝撃が走り、サラリーマン時代には感じたことがないような責任の重さと高揚を感じました。


あともう1つはサービスのロゴですが、
益子さんもブログを書かれていましたが、クラウドワークスを使ってロゴを公募したところ、2週間でナント87件もの提案を頂き、その中から悩みに悩んで決定させて頂きました。
この記事の一番上の写真がそれです。他の全提案はこちらからご覧頂けます。


ロゴ制作は、1人のデザイナーに任せるとどうも偏りがでてしまうため、その人と感性がピッタリ合えば問題ないのですが、そう上手くはいきません。クラウドワークスはコンペ形式で多くのデザイナーから異なる角度から提案を頂けます。しかも費用は2-3万円とかなり費用対効果もよいです。

コンペプロジェクトが始まったばかりの頃は、用件定義に事細かに説明したにも関わらずイメージと全く違う提案を頂いてハラハラしましたが、最終的には僕達の思い描いていたロゴイメージの一歩先を行く提案を頂くことができました。また、僕自身デザイナーの方の心境を考えず身勝手な要求をしてしまうなど反省点も多くあり、また1つ勉強させて頂きました。

こちらのコンペの告知はFacebookを通していろんな方に拡散して頂きました。
改めましてご協力ありがとうございました!


サービス名が決まり、サイト制作も進み、ロゴも決定。
今週から2名の優秀なパートタイムスタッフを雇うことになり、やっとチームらしくなってきました。

Box 4P'sはアジアの食生活を豊かにするサービスを目指して、更に加速していきます!

Sunday, August 11, 2013

【立ち上げ準備 vol.10】冷凍ピザ作り (1)

ビジネスを立ち上げるということは世の中に新しい価値を生み出すことな訳で、なかなか思い通りにいかないことも多いです。ただ同時に、周囲の人からはいろんな形で「応援してるよ!」という励ましの言葉を頂くことも多く、この「ダイレクトに応援されてる感じ」というのは、組織の中にいた会社員の時には感じたことのない新しいエネルギー源だなと思う今日この頃です。

最近していることは、ウェブサイト制作、ロゴ制作、販売する他社商品の決定、イーコマースのライセンス取得、ポテンシャルユーザーのヒアリング、物流配送システム作りなど、盛りだくさんです。


なかでも猛烈に格闘してるのが冷凍ピザの研究開発。
食のイーコーマースをする以上、やはりキラー商品がないとエッジが立ちません。
フォーカスグループ等のユーザーヒアリングを重ね、自分達の持っている強みと現状できることを掛け合わせて考えると、一番インパクトのある商品は「冷凍ピザ」という答えがでてきました。

もちろんノウハウもなければ、設備も整っていない、
お店があるのでピザ作りはできるものの、冷凍ピザは完全ゼロスタートです。
しかも、もし中途半端なものを作ったらレストラン本体にも迷惑をかけることになります。

そんなこともあり、最近は日本の冷凍ピザに関する特許を漁り読んだり、
冷凍食品に関する文献をインターネットでかき集め、
楽天から売れてる冷凍ピザトップ3を取り寄せたり、
とにかくゴリゴリと情報を集めていました。もうほんと、冷凍食品は奥が深い!
そして、ついに先週より試作のフェーズに入りました。


前回は第1回目なので、お店で作っているピザを40秒程素焼きして冷凍したものと、
楽天から買ってきた日本で一番売れている冷凍ピザを比較してみることに。


ピザ職人のYさんに手伝って頂き、通常の28cmより少し小ぶりの23cmのピザ生地に、


通常通り、トマトソース、モッツァレラなどの具材を乗せて、


生地に少し焼け目がついてきたタイミングでさっと引き上げます


まだ半焼けの状態で少し冷ましてから、下に厚紙を敷いてサランラップで包みます。
(本来は真空パックで包むのですが、今回は試作のため省略)


今回は、マルゲリータ、4チーズ、テリヤキ、プレーンの4種類を作りました。
あまり見た目はよくないですが、プロトタイプver1.0です。

前職では開発といえばウェブサイトやシステムのことを指したのですが、
いまでは僕にとっての開発は冷凍ピザを意味するようになりました。

試食したのはこの2日後、そちらについては別途まとめて書こうと思います。